永源寺28世北溟圭秀大和尚晋山式

晋山式について
 一ケ寺の住職となるためには、所定の修行を積み、教師の資格を得てから規則に則り申請して、初めて管長様より住職の辞令が交付されます。辞令交付後、最初に行う儀式が「晋山式」です。「晋山」の意味ですが、これはお寺に住職が新しく入ることです。「晋」は「すすむ」ということで、「進」と同じ意味です。「山」はお寺のある場所、つまり寺院を指します。晋山式とは、お寺の住職が決まって、正式に就任する時の儀式で「住職就任式」ともいうべき式であります。

結制安居について
 結制とは、仏様の定められた制度に従って多くの修行僧を結集するという意味です。お釈迦様時代から続く制度で、インドでは4月から7月まで雨期に入りますが、その期間、外での修行をやめて寺の中で修行します。これを結制安居、別名、雨安居(うあんご)、九旬安居(くじゅんあんご)などといいます。後に仏法が中国に伝わると、江西に馬祖道一、湖南に石頭希遷という秀でた禅僧が現れ、天下の修行僧たちはこの二人の禅僧の下に集まって修行を重ねました。修行先を求めて僧侶の往来が「行く雲のように、流れる水の如く(行雲流水)」と風流に見えることから、雲水(うんすい)と呼ぶようになりました。結制安居が湖西、湖南地方で盛んに行われるようになったので、「江湖会(ごうこえ)」と呼ぶようになりました。

山門法語
住職辞令宣読